結論
小規模事業者持続化補助金は、ホームページの制作・更新費用(ウェブサイト関連費)にも使える。ただし2つの大きな制約がある。第一に、ウェブサイト関連費のみでの申請はできず、必ずほかの販路開拓経費と組み合わせる必要がある。第二に、ウェブサイト関連費の交付申請額は上限30万円(税込)で、この上限は現行の第20回公募から変わったばかりだ。第19回までは「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」というルールだったため、検索上位の解説記事には古い情報が多く残っている。申請は電子申請のみで、GビズIDの取得や商工会議所・商工会の事業支援計画書(様式4)の発行に時間がかかるため、受付開始前からの準備が実質的に必須になる。
はじめに: 使える。ただし「ホームページ代だけ」の申請はできない
結論から言うと、小規模事業者持続化補助金はホームページの制作費・更新費に使える。ただし、多くの人が期待する「制作費の大半を補助金で賄う」形にはなりにくい。現行の公募要領(第20回・一般型通常枠、公募要領第8版=2026年7月21日改定)には、ウェブサイト関連費について次の2つの制約が明記されている。
「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。必ず、ほかの経費と一緒に申請してください。」
— 小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉第20回公募要領 第8版(2026年7月21日改定)
「当経費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です。」
— 同上(ウェブサイト関連費の項)
つまり、チラシ制作や店舗改装、展示会出展といったほかの販路開拓の取り組みが主役としてあり、その一部としてホームページ費用を組み込む、というのが制度の建て付けだ。ホームページだけ作りたい人のための制度ではない、という前提をまず押さえたい。
注意: 「上限50万円」と書いてある記事は古い
重要な変更点がある。第19回公募まで、ウェブサイト関連費の上限は「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」というルールだった。これが第20回公募から「定額30万円(税込)」に変更されている。この変更は事務局が公開している公募要領の新旧対照表(第6版・第7版から第8版への変更点)でも確認できる公式の事実だ。実際に「持続化補助金 ホームページ」で検索して上位に出る解説記事を確認したところ、旧ルールの「1/4・最大50万円」のまま更新されていない記事が複数あった。補助金の情報は公募回ごとにルールが変わるため、解説記事ではなく、必ず現行公募回の公募要領そのもの(中小企業庁・補助金事務局の公式サイトで公開)で確認することを勧める。本記事も第20回公募要領第8版の原文に基づいているが、申請時点では最新版の要領を必ず確認してほしい。
第20回公募の基本情報
| 項目 | 内容(第20回・一般型通常枠) |
|---|---|
| 対象者 | 小規模事業者(常時使用する従業員が、商業・サービス業は5人以下、宿泊業・娯楽業・製造業その他は20人以下) |
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4) |
| 補助上限 | 通常枠50万円。インボイス特例+50万円、賃金引上げ特例+150万円(併用で最大250万円) |
| 申請受付 | 2026年11月5日〜12月15日 17:00(電子申請のみ) |
| 様式4発行締切 | 2026年12月4日(商工会議所・商工会が発行。締切後の発行依頼は不可) |
ウェブサイト関連費で「対象になるもの・ならないもの」
- 対象になる例: 商品販売のための自社ウェブサイトの作成や更新、効果や作業内容が明確なSEO対策(公募要領の例示より)
- 対象にならない例: 補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ・ランディングページ、ウェブサイトに関連するコンサルティング・アドバイス費用(同)
- 注意点: 50万円(税抜)以上の費用で作成・更新したウェブサイトは「処分制限財産」に該当し、補助金受領後も通常5年間は目的外使用・譲渡などが制限されることがある(同)
「期間内に運用に至らなかったものは対象外」という条件は実務上重要だ。採択されてから制作を始めて、補助事業期間内に公開まで到達する必要がある。制作会社の選定や内容の検討を採択後に一から始めると間に合わないことがあるため、申請段階で見積もりと計画を固めておくのが現実的だ。
申請準備は受付開始前から始まっている
第20回の受付は2026年11月5日開始だが、準備はその前から必要になる。第一に、申請は電子申請システムのみで受け付けられ、郵送申請はできない。利用にはGビズIDプライム(またはメンバー)のアカウントが必要で、公募要領には「アカウントの取得には数週間程度を要します」と明記されている。第二に、地域の商工会議所・商工会に事業計画を見てもらい、事業支援計画書(様式4)を発行してもらうことが申請の要件で、その発行締切(12月4日)は受付締切より早い。商工会議所側も締切前は混み合うため、事業計画の相談は早いほどよい。
「補助金ありき」で制作を決めない方がいい理由
最後に、順番の話をしたい。持続化補助金は申請すれば必ず通る制度ではなく、事業計画の審査がある。採択を前提に制作費の予算を組むと、不採択だったときに計画ごと止まってしまう。健全な順番は、まず補助金がなくても成立する範囲でホームページの計画を立て、採択されたら浮いた資金を別の販路開拓に回す、という考え方だ。参考までに、当サービス(Suiliv)のホームページ制作は6ヶ月6万円からの期間定額(ドメイン・サーバー・保守込み)で、ウェブサイト関連費の上限30万円の範囲内に収まる価格帯にしている。補助金を使う場合も使わない場合も、無理のない金額から始められる設計だ。
まとめ
- 持続化補助金はホームページ制作に使えるが、ウェブサイト関連費のみの申請は不可+上限30万円(税込)
- この上限は第20回公募からの新ルール。「1/4・最大50万円」と書いてある記事は旧ルールなので注意
- 「補助事業期間内に運用開始」が条件のため、見積もり・計画は申請段階で固めておく
- GビズID取得(数週間)と様式4発行(締切は受付締切より早い)のため、準備は受付開始前から
- 採択は確実ではない。補助金がなくても成立する制作計画を先に立てるのが健全
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よくある質問
Q. ホームページ制作だけで持続化補助金を申請できますか?
できない。公募要領に「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません」と明記されている。チラシ制作や設備導入など、ほかの販路開拓経費と組み合わせた事業計画として申請する必要がある。
Q. ウェブサイト関連費の上限は50万円ではないのですか?
「補助金交付申請額の1/4・最大50万円」は第19回公募までの旧ルールで、第20回公募からは定額30万円(税込)が上限に変わっている。公募回によってルールが変わるため、申請する回の公募要領で必ず確認してほしい。
Q. 今(受付開始前)から何を準備すればいいですか?
GビズIDプライムの取得(数週間かかると公募要領に明記)、地域の商工会議所・商工会への事業計画の相談(様式4の発行が申請要件)、そして制作内容と見積もりの確定が三本柱になる。制作会社への相談も、計画書に書く金額と内容を固めるために申請前の段階で行うのが現実的だ。
このような課題を感じている方へ
小さなお店・会社のホームページを、制作から公開後の保守・更新まで定額で引き受けています。社内に詳しい担当者がいなくても、任せるだけで運用が回る状態を作ります。「今のサイトの契約や名義がどうなっているか分からない」という段階のご相談も歓迎です。