結論
在庫回転率は「期間中に出庫した金額または数量÷平均在庫」で求める。大切なのは、分子と分母を同じ基準・同じ期間・同じ商品範囲でそろえることだ。複数店舗やECモールでは、在庫の取得時刻、商品コード、返品・移動の扱いが違うため、計算式が正しくても比較できない数字になりやすい。まず簡易計算で現状を確かめ、継続して判断するならチャネル横断で定義をそろえる必要がある。
無料計算機
在庫回転率を計算する
入力内容は送信・保存されません。同じ基準の数字を入力してください。金額なら原価同士、数量なら点数同士でそろえます。
平均在庫
—
在庫回転率
—
在庫回転期間
—
簡易計算です。季節変動が大きい場合や期中に在庫が大きく動く場合は、月次・日次の在庫スナップショットを使うと実態を捉えやすくなります。
在庫回転率を調べる人が本当に知りたいのは、式そのものよりも「いま抱えている在庫は多すぎないか」「商品や店舗ごとに、どこが滞留しているか」ではないだろうか。上の計算機では、金額または数量を使って回転率と回転日数を確認できる。入力した数字はブラウザの中だけで計算され、送信・保存されない。
在庫回転率の計算式
「在庫回転率(回)= 出庫金額 ÷ 在庫金額」
— 職業能力開発総合大学校 基盤整備センター「在庫と管理会計理論」
公的な職業訓練教材では、在庫回転率を出庫金額÷在庫金額と説明している。実務で期首と期末の在庫が分かる場合は、在庫金額を「(期首在庫+期末在庫)÷2」の平均在庫として計算すると、一時点だけの偏りを抑えやすい。数量で見る場合も考え方は同じで、期間中の販売・出庫数量を平均在庫数量で割る。
| 見たいこと | 計算式 | 入力する数字 |
|---|---|---|
| 金額ベースの回転率 | 期間中の出庫金額÷平均在庫金額 | 原価なら原価同士で統一 |
| 数量ベースの回転率 | 期間中の出庫数量÷平均在庫数量 | 同じ商品範囲の点数で統一 |
| 回転期間 | 期間の日数÷在庫回転率 | 30日・90日・365日など対象期間 |
たとえば、1年間の出庫原価が1,200万円、期首在庫が250万円、期末在庫が150万円なら、平均在庫は200万円、在庫回転率は6回、在庫回転期間は約60.8日になる。これは説明用の仮想例であり、6回が良いという意味ではない。適切な水準は商品の粗利、調達リードタイム、季節性、欠品による機会損失によって変わる。
計算で間違えやすい3つの点
1. 売価と原価を混ぜない
売上高を分子にする方法も使われるが、在庫を原価で評価しているなら、分子も売上原価や出庫原価にそろえないと、値上げや粗利率の違いが回転率に混ざる。商品同士や期間同士を比べるときほど、同じ評価基準を使うことが重要になる。
2. 期末在庫だけで判断しない
セール直後や仕入れ直後の一時点だけを使うと、普段の在庫水準から大きく外れることがある。簡易計算では期首・期末の平均を使えるが、季節変動が大きい事業では月末平均や日次スナップショットの方が実態に近づく。
3. 回転率だけを高くしようとしない
在庫を減らせば回転率は上がりやすいが、必要な在庫まで削ると欠品が増える。独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21も、適正在庫は受注機会と在庫費用の均衡で決まると説明している。回転率は単独の合否判定ではなく、欠品、粗利、販売機会と一緒に見る指標だ。
複数店舗・ECモールで数字がずれる理由
実店舗、自社EC、楽天市場、Amazonなどを併売していると、同じ会社の在庫でも管理画面ごとに数字が合わないことがある。計算式の問題ではなく、計算前のデータが同じ状態を表していないことが主な原因だ。
- 店舗は閉店時、倉庫は早朝、モールは取得時点など、在庫を記録した時刻が違う
- JAN、SKU、モール独自の商品番号など、同じ商品を結び付けるコードがそろっていない
- 返品、キャンセル、店舗間移動、取り置きを在庫や出庫に含める条件が違う
- セット商品と単品、色・サイズを集計する粒度が違う
- あるチャネルは数量だけ、別のチャネルは原価付きなど、取得できる項目が違う
この状態で各管理画面の数字を表計算へ貼り付けても、見た目が一つの表になるだけで、比較可能な在庫にはならない。先に「いつの在庫か」「何を出庫とするか」「商品を何で結ぶか」を決め、欠けているデータも明示する必要がある。
一度の計算から、継続して判断できる状態へ
一商品や一期間を確かめるなら、上の計算機で十分だ。しかし毎週・毎月、店舗別やチャネル別、商品別に確認するなら、その都度CSVを集めて式をコピーする作業は続きにくい。担当者が変わると、返品を含めるか、どの在庫時点を使うかといった定義もずれやすい。
Suilivでは、すでに取得できるPOS・自社EC・モール・倉庫などのデータを確認し、商品コードと集計ルールをデータ基盤側でそろえたうえで、在庫数・在庫金額・回転率・滞留商品を一つのダッシュボードで見られる形にする。新しいAPIの開発や在庫の自動配分を請け負うサービスではない。まず手元にあるCSVや既存の出力で、どこまで比較できるかを確認する。
次に確認する
よくある質問
Q. 在庫回転率は売上高と売上原価のどちらで計算しますか?
どちらの定義も使われるが、比較する数字の基準をそろえることが重要です。在庫金額が原価なら分子も売上原価・出庫原価にそろえると、売価や粗利率の影響を受けにくくなります。社内で定義を決め、期間をまたいで変えないようにします。
Q. 在庫回転率の目安は何回ですか?
全業種・全商品に共通する目安はありません。商品の粗利、賞味期限、調達リードタイム、季節性、欠品時の影響で適切な水準が変わります。自社の同じ商品群を同じ定義で継続比較し、欠品や粗利とあわせて判断してください。
Q. 複数店舗やECモールの在庫回転率をまとめて計算できますか?
計算できますが、在庫の取得時刻、商品コード、返品・移動の扱いを先にそろえる必要があります。数字が欠けるチャネルもあるため、取得できるデータを棚卸ししてから集計設計を決めます。社内にエンジニアがいない場合は、データ確認から基盤・ダッシュボード構築まで外部へまとめて任せる方法があります。
このような課題を感じている方へ
実店舗のPOS、自社EC、楽天やAmazonなどのモール。チャネルごとに分かれた売上・在庫を、いま持っているデータを起点にデータ統合基盤とLooker Studioダッシュボードとして構築します。